ひび割れから雨水入り鉄筋が腐食 東海道線電柱衝突事故で原因発表

細沢礼輝
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 神奈川県鎌倉市のJR大船駅構内で8月、東海道線の上り電車が線路内に傾いてきた電柱と衝突した事故で、JR東日本は5日、電柱根元に生じたひび割れから雨水が入り、鉄筋が腐食したことが原因との調査結果を発表した。

 JR東によると、電柱は直径35センチの鉄筋コンクリート製で、架線を引き留めるために一定方向に強い力がかかる構造。内部の鉄筋10本のうち3本が腐食して折れており、もう1本も腐食が進んで荷重に耐えられなくなり、急に傾いたとみられる。力がかかる側とは反対側にひび割れが生じ、雨水が浸入したのが原因という。

 緊急点検で管内の電柱に傾きなどは確認されなかったが、JR東は同じ構造の電柱99本を「重点管理柱」として2カ月以内に補強を終える計画。また、ひび割れ発見のため、画像解析技術などを用いた新たな点検手法を導入していくという。

 事故は8月5日午後9時25分ごろに発生。小田原発横浜行き臨時電車(15両編成)が時速約80キロで走行中、倒れ込んできた電柱に衝突した。先頭車の前面部分が大きく壊れ、運転士と乗客計8人がけがを負った。(細沢礼輝)

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