【動画】試練のタマネギ列車、なくなれば死活問題 生き残りの秘策は
タマネギを日本一の産地、北海道東部から運ぶJR貨物の臨時貨物列車、通称「タマネギ列車」が大きな試練を迎えている。列車が走る石北線(新旭川―網走)はJR北海道の赤字路線で、生き残りの模索が続いているためだ。「難所」に向かうタマネギ列車に乗り、その行方に思いをはせた。
すっかり日が暮れた9月11日午後7時のJR北見駅。「出発進行!」。運転士の小田嶋義則さん(66)が車のアクセルにあたる「ノッチ」を入れた。運転席の照明が消え、11両編成の貨物列車は闇の中をゆっくり滑り出した。
市街地を抜けると、家の明かりも途切れがちに。あたり一面に広がるはずのタマネギ畑もみえない。
やがて明かりに照らされた国内最大級のタマネギ選果場がみえてきた。ここからトラックでタマネギ列車へと積み込まれる。このあたりの北見市や置戸町、訓子府(くんねっぷ)町からなる「JAきたみらい」のタマネギ収穫量は日本一だ。年約26万トンは国産の約20%を占める。列車は毎年8月から翌年4月まで、北見―北旭川駅間を1日1往復する。
山に入ると、「ヒュー」と汽笛が鳴った。「動物の目が光るのがみえた」と小田嶋さん。鉄分を補給するのにレールをなめにくるエゾシカが出没する。ぶつかると列車を止めてしまうこともあるので細心の注意が必要だ。
石北線は単線のローカル線。途中、北見市郊外の信号場で約30分停車した。旭川方面からの旅客列車とすれ違うためだ。
■「単独では維持困難」JR石北線の行方は
後半では存続をかけたJR石北線の取り組みや、タマネギ農家の貨物列車に対する思いを聞きます
ここからがタマネギ列車にと…
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