45年前製造の旧国鉄電車が3度目人生 音は現役、「長野色」も再生

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佐藤仁彦
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 懐かしの「長野色」をまとった旧国鉄の車両を修復、保存し、地域のにぎわいづくりに役立てようとの計画を、長野県千曲市で日帰り入浴施設を営む会社が進めている。現役を退き、スキー場の休憩所として使われていた電車「115系」1両を昨年取得。運転士体験などを楽しめる施設として活用する計画で、製造から45年を経た車両が3度目の新たな人生をスタートさせる。

 この車両は、1978年に製造され、宇都宮線などで活躍した「クハ115―1106」。2000年代に入るとこの車両は、窓の部分に淡いブルー、窓下の帯に淡いグリーンを配した「長野色」に塗られ、JR東日本中央線の立川―松本間や篠ノ井線松本―長野間などで運行していた。115系は一時期、「湘南新宿ライン」で運行されたこともあって、若い世代でも懐かしさを覚える人が多い車両の一つだ。

 転機は15年。老朽化に伴う後継の導入で、この車両は廃車となった。

 引退した115系の多くが解体処分されるなか、「1106」は長野県長和町のブランシュたかやまスキー場に引き取られた。休憩所として使われたが、長く雨風にさらされて車体の腐食が進み、雨漏りするようになった。

電気やエア系統は今も健在

 その頃、「電車のある温泉」…

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