「足が遅い」ラガーマン 失意の夏から「とんがった部分」磨きW杯へ
不本意なポジション変更を機に急成長を遂げ、ラグビーW杯フランス大会で活躍する選手がいる。日本代表のフランカー下川甲嗣(かんじ)選手(24)。開幕直前に追加招集されると3戦連続で出場し、29日早朝(日本時間)のサモア戦でも後半途中からの起用で献身的なタックルを見せた。失意の高校時代から日本代表にまで駆け上がった背景には、福岡の伝統校の教育方針があった。
「お兄ちゃんの方がうまいな」
福岡県立修猷館(しゅうゆうかん)高校ラグビー部の渡辺康宏部長(60)は、監督を務めていた時に高校に入学してきた下川選手の第一印象をそう振り返る。兄の桂嗣さん(32)も同校ラグビー部出身で、後に慶応大で活躍していた。
下川選手は兄の背中を追って、4歳から草ケ江ヤングラガーズ(福岡市)でラグビーを始め、中学時代には九州大会で優勝したことがある。
だが足が遅く、「甲嗣がボールを持つとスローモーションに見える」と周囲から言われた。仲間が県選抜に選ばれる中、下川選手は選考から漏れた。
小学校から高校までともに楕円(だえん)球を追った会社員の鬼木崇さん(24)は振り返る。「技術的に突出していたわけではなかった。競争心や闘志を表に出すことはなく、みんなで楽しくやろうというタイプだった」
だが渡辺さんは長所を二つ…
- 【視点】
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