猛暑に弱る家畜たち 東北で死ぬ牛が急増、名古屋コーチンは生育遅れ
観測史上「最も暑い夏」となった今年、猛暑の被害は家畜にも及んだ。暑さにより、昨年の10倍近い数の鶏が死ぬ深刻なケースもあり、全国に知れ渡るブランドの鶏や牛に影響が出ている。
「こんな猛暑との戦いは初めてだ」。秋田県のブランド鶏・比内地鶏の養鶏を手がけて約20年になる高橋浩司さん(64)は困惑する。比較的冷涼な東北地方でも今年の暑さは特別で、鶏舎がある大館市では8月、最高気温が35度以上の猛暑日が18日間あった。高橋さんの鶏舎では夏場、40度を超え、20羽が死んだ。
9月に入っても食欲が落ちているため、鶏の体重が増えず、買い取り価格が下がることも心配だ。高橋さんは「将来的には従来の対策では太刀打ちできなくなるかもしれない」と話す。
被害が相次ぐ中、牛専用ネッククーラーが開発されるなど、〝涼〟を求めて工夫が進んでいます。
水飲み場で比内地鶏が圧死
秋田県によると、昨年は暑さ…
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- 【視点】
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