「本来の性別で生きたい」 性別変更に手術課す違憲性、最高裁で弁論

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遠藤隆史
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 トランスジェンダーが戸籍上の性別を変えるのに、生殖能力を失わせるなどの手術を必要とする「性同一性障害特例法」の規定が、憲法に違反するかが問われた家事審判で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は27日、性別変更を求めた申立人側の意見を聞く弁論を開いた。年内にも結論を示す見通し。

 「(申立人は)世の中に訴えたいことがあるわけではなく、社会全体を変えたいわけでもなく、自分自身のどうしようもなく困っていることを解決してほしくて、裁判所に申し立てた」

 この日、出廷しなかった本人に代わり、代理人弁護士が思いを訴えた。

 申立人は、出生時の性別は男性で、女性として社会生活を送るトランスジェンダー(トランス女性)。性同一性障害の診断を受け、2019年に戸籍上の性別変更を西日本の家裁に申し立てた。

 特例法は、性別変更に5要件を定め、このうち「生殖腺(卵巣や精巣)がないか、その機能を永続的に欠く」(生殖不能要件)と「変更する性別の性器に似た外観を備えている」(外観要件)の2要件を満たすには原則、手術が必要になる。

 申立人は手術を受けていないが、長年のホルモン治療で生殖能力は減退し、生殖の可能性は極めて低いため要件を満たすと主張。しかし家裁は、生殖不能要件を満たしていないとして性別変更を認めず、不服を申し立てた高裁支部も同様に判断したため、申立人が最高裁に特別抗告した。

裁判官15人に伝えたトランス女性の「思い」

 代理人は弁論で、女性として…

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