「幻の新幹線」イーストアイが走行試験開始 北陸新幹線の金沢―敦賀

佐藤常敬
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 来年3月16日に開業する北陸新幹線金沢―敦賀間で23日、走行試験が始まった。初日はJR東日本の新幹線電気・軌道総合検測車「イーストアイ」(East-i)が敦賀までを走った。芦原温泉駅では、記念の歓迎式があった。

 走行試験は、建設主体の鉄道・運輸機構と新幹線を運行するJR西日本による「監査・検査」の一環。

 イーストアイとJR西の新幹線車両W7系が、12月9日までのうち約40日間、1日1往復ほど走り、線路や架線、線路を流れる信号電流などの状態を確かめる。26日はW7系が福井県内に初めて入る予定だ。

 イーストアイは線路や架線を点検しながら走る専用の6両編成。鉄道愛好家は「幻の新幹線」などと呼ぶ。同機構によると、23日午前1時56分に白山総合車両所(石川県白山市)を出て、時速30~45キロで金沢駅から敦賀駅、敦賀車両基地まで走った。

 芦原温泉駅には同9時46分に到着。杉本達治知事や国会議員、沿線首長ら約80人がホームでうちわを振って迎え、くす玉を割って祝った。杉本知事は「いよいよ北陸新幹線が県内に入ってきた。この50年間、努力いただいた先人の熱い思いがこみ上げてきた。開業まで半年を切り、県内外でのプロモーション、おもてなしの準備に全力を挙げて、しっかりお客様を迎えられるようにしたい」と話した。

 当面のターミナル・敦賀駅では、小松―福井間を試験走行したJR西日本の本多剛運転士(37)=福井市出身=が取材に応じた。

 運転台から見る風景も初めてで、曲線や勾配など慎重に走った。沿線でカメラを構えた多くの人が見えたといい、「敦賀延伸の期待の高さを実感し、うれしかった」「福井県に入った時、古里に入ったと気持ちが高揚した。多くの人に新幹線で福井に来てもらえるよう開業に向け一致協力して準備したい」と力を込めた。(佐藤常敬)

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