東芝「ガバナンスごっこ」の8年 専門家「日本復活の象徴になって」

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聞き手・杉山歩

 経営の混乱が続いていた東芝が国内の投資ファンドに買収され、上場廃止となることが決まった。なぜ混乱は続いてきたのか、非上場化はどういう意味を持つのか。コーポレートガバナンスに詳しい牛島信弁護士に聞いた。

 ――不正会計の発覚から、経営の混乱が8年間も続いてきました。

 不正が発覚する前、東芝は「コーポレートガバナンスの優等生」と呼ばれていましたが、実際は日本企業の古い体質を残したままの「ごっこ」でしかありませんでした。

 (2008年度に製造業として当時過去最大の赤字を出した)日立製作所は、子会社に出ていた川村隆氏を呼び戻して社長にしましたが、東芝はそういう思い切った人事もできませんでした。体質を抜本的に変えないまま、上場を維持したいがためにアクティビスト(物言う株主)から多額の出資を受けました。

 ――アクティビストを呼び込んだことが、混乱の原因とも言われます。

 それは違います。確かにアク…

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