西九州大、大学院の3専攻を新設 「デジタル社会共創学環」正式認可

三ツ木勝巳
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 西九州大学は来春、新たに大学院の博士課程2専攻と修士課程1専攻を開設すると発表した。開設の準備を進めていた「デジタル社会共創学環」は7月に文部科学省に申請が受理され、正式に設置が認められた。

 福元裕二学長は11日、県庁で記者会見を開き、大学院を地域課題を解決するリーダー的人材養成の場としていくとした上で、「デジタル社会の進展に向けて学部と大学院をどのように発展させていくか。ここ数年が、正念場になる」と述べた。

 西九州大の大学院には現在、博士前期課程・修士課程の6専攻、博士後期課程の2専攻がある。これに加えて、来春から「スポーツ科学(修士課程)」や「臨床心理学(博士後期課程)」「保健医療学(博士後期課程)」の3専攻が設置されることになった。いずれも一学年の定員は2人。

 スポーツ科学専攻の開設は現在、佐賀県と行っているアスリート育成などを目指すスポーツ推進事業「SSP構想」での共同研究に弾みをつけると期待されている。

 大学には来春、デジタル人材を育成する「デジタル社会共創学環」が設置される。「学環」とは学部や学科と同様に国が認定した大学の教育課程。IT活用力を備えた人材の育成を掲げ、英語を活用したコミュニケーション能力を育成する「グローバルコース」と、デジタル社会でのコミュニケーションスキルなどを育成する「情報メディアコース」がある。一学年の定員60人。

 2027年度には、このデジタル社会共創学環を発展させ、「健康データサイエンス学部(仮称)」の設置を目指している。一学年の定員は100人という。

 大学には現在、健康栄養、健康福祉、リハビリテーション、子ども、看護の5学部に7学科がある。全体の定員は2200人。

 福元学長は、健康と福祉の探求に特化して学部学科を設置してきたが、これらの分野にデジタルを採り入れていかないと出遅れると考えていた。カリキュラムづくりから地元の企業と一緒に取り組み、「新しい価値を目指せるような人材を専門分野×デジタルでつくらないといけない。そちらへ、かじを切っていこうと思っている」と話した。(三ツ木勝巳)

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