来年3月16日開業 東海市に新駅「加木屋中ノ池」 住宅街に誕生

臼井昭仁
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 愛知県東海市にできる名古屋鉄道の新駅「加木屋中ノ池(かぎやなかのいけ)」が来年3月16日に開業することになった。地元が設置を要望した「請願駅」で、駅舎建設にかかった75億円は市が負担する。新駅の誕生は、県内では2012年のJR東海道線・相見駅(幸田町)、中部5県では20年の大井川鉄道・門出駅(静岡県島田市)以来になる。

 新駅ができるのは、東海市加木屋町で、名鉄河和線・高横須賀―南加木屋(2・8キロ)の中間。来年3月に駅の北改札口側が先行して開業する。南改札口側は再来年春になる予定。

 名鉄によると、停車は普通列車のみ。1日の乗降客数は2400人と見込む。名鉄の新駅としては、08年の西尾線・南桜井駅(安城市)以来となる。

 東海市は、1990年ごろから名鉄にこの地域での新駅設置を働きかけてきたが難航。その後、人口増が進み、公立西知多総合病院ができることになり、市で駅舎建設の費用を負担する請願駅として建設が決まったという。75億円のうち26億円は国費からの充当を見込む。市は、西知多総合病院と北改札口とを結ぶ屋根付きの通路(220メートル)も造っている。

 新駅近くでは、広さ11ヘクタールの土地区画整理事業が始まり、民間企業も宅地開発を進めている。市は、駅周辺の人口を現在の9200人から5、6年後には1万800人に増えると見込んでいる。市幹部は「商業施設の誘致も図って新たなまちをつくり、一帯を市の医療福祉の拠点にしたい」と期待する。

 来春の開業に合わせ、市は3月下旬、記念列車を走らせる。貸し切りで、乗車を希望する市民を年明けに募る。発車式のほか、駅前北口の広場で式典も開く。駅近くの中ノ池公園などで自然を楽しんでもらおうと、スタンプラリーも実施する予定だ。(臼井昭仁)

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