金沢―敦賀3月16日開業 福井・敦賀以外も2往復ずつかがやき停車

長屋護 乗京真知
[PR]

 北陸新幹線の金沢―敦賀間(約125キロ)の開業が来年3月16日に決まった。東京―福井間は、停車駅の少ない「かがやき」で最速で2時間51分となり、今より36分短縮される。かがやきの一部の列車は、小松や芦原温泉など福井と敦賀以外の駅にも停車することになり、要望していた沿線自治体の声に応えた形だ。

 JR西日本の長谷川一明社長とJR東日本の中川晴美常務が30日、福井市内で記者会見し、発表した。

 新区間となる金沢―敦賀で、かがやきは1日9往復し、うち5往復は福井と敦賀のみで停車。小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふの4駅は残る4往復のうち各2往復ずつが停車する。

 かがやきはこれまで、所要時間の短縮を重視し、群馬、新潟の両県では停車せず通過している。それが、今回のダイヤで金沢以西に停車駅を増やした。長谷川社長は「3県の県庁所在地と首都圏を3時間以内に結ぶことと、新しい各駅の利便性の両方を求めた」と説明した。

 一方、北陸第4の人口を有する富山県高岡市にあり、かがやきの停車を求める声が根強い新高岡駅新ダイヤでも停車を見送った。長谷川社長は「需要に合わせて臨時列車という形で(今後も)対応したい」とした。

 停車駅の多い「はくたか」は新区間で1日5往復する。現在、富山―金沢間を往復している「つるぎ」は敦賀まで延伸し、富山―敦賀間は18往復、金沢―敦賀間は7往復運行する。

 新区間の開業に伴って特急「サンダーバード」「しらさぎ」はいずれも金沢から敦賀での運行を終了。つるぎは敦賀駅から関西、中京方面への特急に接続するダイヤとし、富山―大阪間は今より29分短縮されて2時間35分に、富山―名古屋間は23分短縮されて2時間35分となる。

 北陸新幹線は、高崎―大阪間の約600キロを結ぶ計画で、高崎―長野間は1997年10月に開業、長野―金沢間は2015年3月に開業した。金沢―敦賀間は12年6月に着工したが、敦賀駅や石川、福井県境のトンネルでの工期の遅れなどで当初の23年春の開業から1年遅れていた。

 総事業費1兆6779億円となった新区間は、石川県内5市町(白山、川北、能美、小松、加賀)、福井県内7市町(あわら、坂井、福井、鯖江、越前、南越前、敦賀)を経由する。

 敦賀以西は今後、福井県小浜市付近を経て新大阪まで約143キロ延伸する構想がある。与党は、当初は23年度着工、46年度開業を目指す考えだったが、京都府内などで環境への影響を懸念する声があってアセスメントが遅れている。長谷川社長は「大阪までつながることで最大限の効果を発揮する。最大限の取り組みをしたい」と述べた。(長屋護、乗京真知

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません