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　巨大な岩塊にぶつかったため掘削を中断していた北海道新幹線羊蹄トンネル（約9・7キロ）の工事現場が17日、報道関係者に公開された。すでに岩塊はすべて撤去され、現在は機械の点検などの最中。掘削は11月に再開されるという。

　トンネル工事の設計、施工監理を行う国土交通省所管の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」によると、羊蹄トンネル比羅夫工区（約5・6キロ）の掘削が始まったのは2019年4月。札幌方面から新函館北斗方面に向かって3キロ余り掘り進めた21年7月、岩塊にぶち当たり、シールドマシンを止めた。岩塊は羊蹄山の火山活動によってできたとみられる。高さ17メートル、幅15メートルにわたっていくつもの安山岩が固まり、行く手を塞いでいた。

　そのため、岩塊を挟んでシールドマシンの反対側の地点まで迂回（うかい）トンネルを設置。機械で粉砕したほか、金属の化学反応を利用した破砕剤で岩塊を壊し、今年3月に撤去作業が完了した。

　同工区のトンネル工事は当初、来年8月の完成予定だが、大雪や今回の岩塊撤去などの影響ですでに4年ほどの遅れが出ている。同機構の上松苑ニセコ鉄道建設所長は「工程を工夫するなどして工期の短縮を図る。岩塊を撤去できてほっとしているが、最後まで気を緩めずに工事を進めたい」と話している。（岡田昇）