第4回米国側は「赤沢?WHO?」 関税に揺れる石破政権、薄れゆく主体性

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小手川太朗 多鹿ちなみ

連載「閉じゆく世界 トランプ関税の衝撃」

トランプ米大統領の高関税政策が世界を大波乱に陥れています。超大国が内へと閉じていく中、世界はこのまま危機に向かうのか。人々の暮らしへの影響は。トランプ関税がもたらす衝撃を多角的に掘り下げます。

 「赤沢? WHO?(だれ?)」――。今月8日、関税をめぐるトランプ米政権との交渉担当に、赤沢亮正経済再生相を起用すると政府が発表すると、米政府の関係者はとまどいを隠さなかった。

 石破茂首相と長年政治行動を共にしてきた赤沢氏だが、外交経験は少なく、米政府内でも知名度が高いとは言えない。首相官邸からは「裏で交渉を総括するのは、(外相経験者の)林芳正官房長官だ」との声も漏れる。

 予測不能のトランプ米大統領の振る舞いに世界中が振り回され、国際経済の枠組みが根本から揺らぐ難局で、首相が交渉役として選んだのは、最側近とされる赤沢氏だった。

「これが石破首相の限界だ」

 その選択に、挙党態勢を築け…

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この記事を書いた人
多鹿ちなみ
経済部
専門・関心分野
エネルギー政策、人権、司法
トランプ関税

トランプ関税

トランプ米大統領の高関税政策が衝撃をもたらしています。金融市場は動揺し、貿易摩擦は激しさを増しています。世界経済は危機に向かうのか。暮らしにどんな影響を与えるのか。最新ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]