「悲しいけどX使うしか」マスク氏に期待したインフルエンサーの嘆き
ツイッターの名前が「X」に変わり、おなじみだった青い鳥もいなくなってしまった。SNSの代表格で、とりわけ日本で愛されたツイッターとはいったい何だったのか。ツイッターをサービス開始初期から使い、インフルエンサーの一人でもあったnoteプロデューサーの徳力基彦さんに聞いた。
「ツイッターの空気を悪くした」ロジック変更と極端なバズ
――ブランド名とロゴの変更が発表されると、「さようならツイッター、今まで本当にありがとう。君がいなければ、ぼくの今の人生はなかったよ。」と題した長文をnoteに投稿されました。
「16年使ってきた人間からすると本当に残念です。インターネットの初期の頃、一般の人がネットでつながることで新しいものが生み出される『集合知』への期待がありました。残念ながら、ライターの中川淳一郎さんが著書『ウェブはバカと暇人のもの』で指摘されたように、そうした理想通りにはなっていません。そんな中でツイッターが非常にユニークだったのはフェイスブックとかに比べると稼ぐのが下手でもうからないサービスだったのですが、APIを無料で公開し、検索機能も無料で付け、何もかもをオープンにしました。一般のエンジニアもそれを面白がってツイート検索が便利なサービス、アカウント切り替えの手間がかからないサービスなど様々な周辺サービスを無償でつくり、ユーザーからも世界中の面白いツイートを発掘して拡散する人が現れるなど、かつて夢見た『集合知』を感じさせる世界がありました」
「フェイスブックやインスタグラムは典型的な巨大IT企業が広告と引き換えに提供してくれるサービスで、投稿もほぼアプリ経由でしかできません。ツイッターはしょっちゅうサーバーが落ちるのをみんなが優しく見守っていましたし、より使いやすい形をツイッター社外のエンジニアやユーザーも一緒になって作ってた印象のあるサービスでした」
「でもイーロン・マスク氏の買収以降は、みんなのサービスからマスク氏が考える俺のサービスに変わってしまいました。今回の名称変更とロゴの切り替えで、もう前みたいにみんなでいろいろやる場ではなくなったのだと思い知りました」
――当初はマスク氏の買収に期待をされていたとか。
「ツイッターは経営が不安定…
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- 【視点】
徳力基彦さんのおっしゃる通りですよ。そして敢えてここに付け加えるなら「イーロン・マスクは、ツイッターにとって極めて重要である日本市場(日本語市場、といってもいいだろう)を、いろんな形で軽視している」のが非常によろしくない! ということです
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