パートナーシップ制度「空白県」の今 福島と宮城、慎重な姿勢崩さず
同性カップルを公的に認める「パートナーシップ制度」の導入が全国で広がるなか、慎重な自治体も多い。同性婚の法制化を求める公益社団法人「Marriage For All Japan」によると、6月14日時点で同様の制度は、全国の少なくとも328自治体で導入されているが、島根、福島、宮城の3県は現在、市町村単位でも県単位でもこの制度がない。
このうち、島根県は今年10月に県内全市町村での導入を決めた。一方、福島県内では導入を表明した市町があるものの、福島・宮城は県として慎重な姿勢を崩しておらず、制度の「空白県」が残ることになる。
今月12日にあった福島県知事の定例会見。内堀雅雄知事は「制度については、住民に身近なサービスを提供する市町村などの意向を伺ってまいります」と述べるにとどめた。県男女共生課の担当者は「全国の情報は把握している」としながらも「県民の意向を聞きながら情報収集中」とする。
福島市では、6月の定例議会で、市民団体から出されていたパートナーシップ制度の導入を求める陳情が採択された。だが木幡浩市長は22日の記者会見で、「対応を検討する」としながらも、「自治体側とすれば、おそらく市町村単位でやっても効果は薄いのではという見解が多いと思う」と述べ、導入するかどうか明言を避けた。
導入ゼロの福島で 富岡町の試み
パートナーシップ制度について、本格的な協議に入る前に、性的少数者についての基礎知識や現状を学ぼうとする自治体もある。
福島県富岡町の町議会では昨年12月、制度の導入について町議から質問があり、同町の山本育男町長が「来年度、取り入れるべく検討する」と答弁。これを受けて、今月10日にLGBTQに関する研修会が開かれた。
研修会では福島学院大学大学院の梅宮れいか教授が講師役を務め、町の男女共同参画審議会メンバーら十数人が参加した。梅宮さんは「私たちがしなければならないことは、味方になること、味方だと知らせることです」と呼びかけた。
「性的少数者がいてもいなく…
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- 【視点】
「男女平等ですら達成できていない地域性が壁になるのでは」という意見がでているような場所で、パートナーシップ制度を導入するのはなかなか難しいかもしれないが、そんなことを言っている場合ではない。 前向きに検討しているのは評価できるが、「ここは生
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