地域で暮らす 自立への挑戦 知的障害者描く映画を上映

前田智
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 知的障害がある人が地域で普通に暮らすことをテーマにした映画「大空へはばたこう~自立への挑戦~」の上映会が15日午後2時から、東大阪市御厨南2丁目の市文化創造館で開かれる。当事者や福祉施設関係者、保護者らが参加するシンポジウムも開かれる。

 制作したのは、知的障害者が自身の思いや社会への問いかけなどを発信するインターネット放送局「パンジーメディア」(東大阪市)。映画は全6章。当事者の山田浩さん(51)が福祉の研究者や当事者らに取材し、入所施設の歴史や海外の脱施設の状況、地域で暮らす当事者の姿などを紹介する。

 施設で暮らす障害者は2022年度の推計で約12万5千人。日本が批准する障害者権利条約19条では「自立した生活及び地域社会への包容」を掲げる。昨年、国連の委員会は障害者が地域での生活に移る「地域移行」の推進を勧告した。

 グループホームで暮らしている山田さんは「施設で暮らしているけど地域で暮らしたいと思っている人が映画を見て、地域で暮らすようになるきっかけになれば」と話す。

 音声ガイドや字幕によるバリアフリー上映を実施。上映後のシンポジウムには、山田さんや全国手をつなぐ育成会連合会の久保厚子会長らが参加し、「知的障害者が地域で普通にくらすために」のテーマで意見交換する。国内外でドキュメンタリーを制作し、監督を務めた小川道幸さん(75)は「入所施設は必要なのかとの問いに、知的障害当事者の声はほとんど伝えられてこなかった」とし、「山田さんが取材して感じた生の声を発信することを心がけた。映画を見て様々な意見を聞き、問いを持ち帰ってほしい」と話す。

 2千円(障害者は1500円)。バリアフリー上映が必要な人は事前連絡を。問い合わせは(072・968・1615)へ。(前田智)

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