LGBT法案の修正「抑圧側の居心地のためか」 差別拡大への懸念
杉原里美
性的少数者への理解を広めるための「LGBT理解増進法案」について、自民党は12日、検討してきた修正案を了承した。法案に反発する保守派議員らに配慮した形となり、当事者からは「差別の温存」といった厳しい見方が示された。
「私の言葉は、岸田さんに全然届いていなかった」
性的少数者のための交流施設「プライドハウス東京レガシー」(東京都新宿区)のスタッフで大学生の山島凜佳さん(20)は、法案の文言修正に「衝撃を受けた」という。
2月、支援団体の若者代表として、岸田文雄首相と面会した。首相秘書官=更迭=による差別的な発言に批判が高まっていた時期だ。発言に傷ついても、声を上げられない当事者が多かった。
面会時のヒアリングで、岸田首相は当事者の苦しみの原因について質問を投げかけてきた。山島さんは「私たちを否定してくるのは社会の『雰囲気』ではなく、制度です」と強調した。だが、伝わっていなかった。
「抑圧する側の居心地をよくするためか」
差別禁止の法律が必要だと求…
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