JR東海、東海道新幹線を自動運転へ走行試験 誤差は2秒と9ミリ
東海道新幹線の浜松―静岡駅間で11日未明、発車から停車までを自動制御する自動運転システムの走行試験が報道陣に公開された。「自動列車運転装置(ATO)」による同様の自動運転は、東京メトロやつくばエクスプレスなどで導入されているが、高速鉄道では国内で例がない。JR東海は5年後の2028年ごろの実現をめざしている。
最終列車が去った後の11日午前0時19分、開発中のATOを搭載した最新車両「N700S」が浜松駅をなめらかに出発した。
目的地の静岡駅に着いたのは午前0時45分。2秒と9ミリの誤差でホームの停車位置に止まった。
今回の試験では、時速約250キロで走行中、前方に急きょ徐行区間を設けた。ATOは即座に途中の速度を再計算し、徐行区間で速度を落としても予定到着時間に間に合うよう、あらかじめ制限速度の285キロ近くまで自動で加速した。
運転士はこの間、非常時に備えて左手をブレーキに添えていたが、実際の操作は出発時にボタンを1度押しただけ。加減速レバーには一切手を触れなかった。
JR東海によると、自動運転が実現すれば、現在は車掌が担っているホームの安全確認やドアの開閉を運転士が引き受けられるようになるという。
辻村厚・新幹線鉄道事業本部長は「車掌の乗客対応を充実させたり、車内巡回を強化したりするなど、サービス向上につなげられる」と話している。
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