「コロナのトンネル抜けた」ANA・JALとJR3社、3年ぶり黒字

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松岡大将 内藤尚志 松本真弥
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 航空大手2社とJR主要3社の2023年3月期決算が2日、出そろった。最終的なもうけを示す純損益はいずれもコロナ前の20年3月期以来、3年ぶりに黒字に転換した。乗客が戻りつつあり、業績も回復が進む。一方、ビジネス利用が完全に戻ることは想定しづらく、各社の模索が続く。

 「ようやくコロナのトンネルをぬけ、転換点まできた」。ANAホールディングス(HD)の芝田浩二社長は先月27日の会見でこう述べた。コロナ禍の21年3月期は純損益が4046億円の赤字と過去最悪だったが、23年3月期は894億円の黒字(前年は1436億円の赤字)となった。

 水際対策が大幅に緩和されたことや、政府による全国旅行支援もあって、旅行需要を中心に伸びた。足元では国際線でコロナ前の5割超、国内線で9割の水準に戻った。

 日本航空(JAL)が今月2日に発表した純損益も344億円の黒字(前年は1775億円の赤字)となった。貨物事業は運賃水準が高く業績を下支えした。

 JR東日本、東海、西日本の純利益は885億~2194億円だった。東海と西日本は、中核の運輸事業も黒字化した。東海道新幹線の収入はコロナ前の8割近くまで回復した。

 JR東海の丹羽俊介社長は、8日にコロナが感染症法の5類に移行することで、「ますますご移動が活発化する」と期待する。

 今年のゴールデンウィークの飛行機や新幹線・在来線の予約状況は、コロナ前に迫る。各社は24年3月期で、さらに売り上げを積み上げる計画だ。

 ただ、このまま回復軌道に乗…

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