米機密流出、問題抱えた兵士がなぜ 同盟国の情報共有が滞る可能性も

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ワシントン=下司佳代子

 米国の機密文書流出事件で、スパイ防止法などに違反したとして訴追された空軍州兵ジャック・テシェイラ被告(21)が27日、マサチューセッツ州の裁判所に出廷した。検察側は、SNSで殺人願望を示していた被告の反社会的な傾向を指摘。問題を抱える下級兵士がなぜ、国家機密を入手できたのか。バイデン政権に批判が向けられており、外交上の打撃も大きい。

検察が指摘する被告の横顔 SNSで殺人願望の発信も

 検察側の資料によると、被告は2019年9月に入隊し、21年に機密にアクセスする権限を得た。22年2月ごろから「ITサポート技術者」の業務とは無関係な国防などの機密資料を閲覧するようになっていた。22年12月ごろからSNSに政府の資料を投稿していたとされるが、被告自身、それより前から機密を投稿していたことを認めていたという。国防情報の不正な保持・送信などに問われており、禁錮25年かそれ以上の刑を受ける可能性がある。

 被告は長く暴力や殺人に関心…

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