半導体チップとポテトチップスの違いは 米、30年後方針転換のわけ

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アリゾナ州フェニックス=榊原謙
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 米国が、30年間で3分の1以下に減った半導体の自国生産能力を再興しようとしている。市場原理グローバル化を追求し、半導体生産は国際分業体制に委ねてきたが、方針を転換した。その背景には、唯一の超大国だった米国に挑戦するあの国の「国策」があった。

さかきばら・けん 1981年生まれ。ワシントン特派員。半導体の取材は面白いが、ポテチも好物。ツイッターは@kenSakakibara

 リサ・スー氏「私は半導体の仕事をしています」

 相手「それは何ですか?」

 スー氏「チップをつくっているんです」

 相手「ああ、ポテトチップスのことですか?」

 スー氏「違います! 半導体チップです!」

 中央演算処理装置(CPU)などを手がける米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のスー最高経営責任者(CEO)が、半導体業界に入った1990年代前半、半導体の知名度の低さから自己紹介にも苦労した思い出を語ると、聴衆から大きな笑いが起きた。

 スー氏は昨年12月6日、半…

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この記事を書いた人
榊原謙
アメリカ総局|米国経済担当
専門・関心分野
米国経済、世界経済