第5回「初めての遺言ならシンプルで十分」弁護士がすすめる失敗を防ぐ方法
聞き手・藤田知也
国の収入となる遺産額が増えている要因には、身よりのない「おひとり様」が増えたことに加えて、遺言をつくる人が少ないことも挙げられます。そこで気になったのが、元朝日新聞記者で弁護士の竹内亮さんが提唱する「シンプル遺言」。一体どういうこと? 話を聞きに行きました。
――「シンプル遺言」って、なんですか。
「これはごく普通の人に向けて考えた言葉です。遺言に関する記事や本はたくさんありますが、専門的で難しいものが多い。資産家なら、節税する目的で遺言が複雑になる人もいるでしょう。そういう人は専門家に遺言づくりを任せればいい」
「でも、遺言でいちばん大事なのは、『だれに何を残すか』を決めることです。もめる余地をなくすことが大事。そう考えると、多くの場合、遺言はシンプルな内容で十分。初めて書くときは、とくにそう。いちばんシンプルなのは『全財産を○○に相続させる』。複雑になるほど失敗も起きやすい。シンプルな遺言には、無効になりにくいという利点もあります」
――どんな人が遺言を書くべきですか。
「遺言がなければ、遺産は民…
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