中国からの航空券予約、一日で4倍 訪日客の回復へ残ったハードル

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高橋豪 北京=西山明宏 広州=奥寺淳 枝松佑樹 熊井洋美 阿部彰芳
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 新型コロナ対策で国境の出入りを厳しく制限してきた中国政府が、水際対策の大幅な緩和を決めたことは、訪日客が押し寄せる「コロナ前」の姿が戻ることにつながるのか。業界の期待は高まるが、制度面や航空便数の壁はなお残っている。中国国内が感染爆発のまっただ中にあることも、重い課題だ。

 中国最大級の旅行予約サイトなどを展開するトリップドットコム・グループによると、27日午前に中国での日本行きの航空券の予約数は前日午前に比べて約4倍に増えた。前夜に中国政府が水際対策緩和の方針を表明。中国からの旅行を扱う「Oriental」(福岡市)にも27日、中国から国際クルーズなどへの問い合わせがあった。担当者は「やっと3年ぶりに忙しくなってくるだろう」と期待を込めた。

 「ようやく進んだか、という感じ」。中国・青島市の旅行会社の日本担当幹部は、こう話した。同社はこの3年近く、旅行関係の仕事がほぼなくなったことで、部署の同僚数人が次々に転職し、残った2人だけで往来再開を待っていた。

 ただ、問い合わせは日本政府が9月に訪日ビザの開放を発表した際ほどの盛り上がりではないという。

 日本旅行を扱う広州市の旅行会社「同程旅行」でも27日、オフィスはひっそりとしており、問い合わせの電話も少なかった。担当者は「いまの時点では、まだ訪日ビザの手続きが出来ないため」だという。

 コロナ前の2019年、中国からの訪日客は過去最高の950万人台と、全体の3割を占めていた。旅行消費額も1兆8千億円と、全体の4割近くに上った。

 日本政府が今年10月に水際対策を大幅に緩和し、韓国や台湾、米国などからの訪日客が増えても、本格的には回復していなかった。22年11月の訪日客は約93万人で、19年同月比の4割。中国は2万1千人、同2・8%の水準にとどまった。コロナ前に戻すには、中国側の緩和がカギを握ると言われてきた。

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