鉄道「発祥の地」でにぎわいの声 SL客車、駅そば 歴史に伴走
1872年に新橋―横浜間で鉄道が開業して150年を迎えた14日、「発祥の地」は鉄道を楽しむ家族らでにぎわった。
初代横浜駅は1872年、現在のJR桜木町駅地点(横浜市中区)につくられた。
桜木町駅に隣接する商業施設「CIAL(シァル)桜木町ANNEX(アネックス)」1階には、開業時に運行した蒸気機関車の再現車両が展示されていて、期間限定で17日まで客車の乗車体験ができる。
この日を楽しみにしていたという横浜市中区の大西祈(いのる)くん(5)と、西沢琥太郎くん(6)は受付で帽子をもらって乗車した。「大きくてかっこいい。機関車の(汽笛の)音が好き」と喜んでいた。
乗車体験には同施設での税込み500円以上の買い物をしたレシートを提示する必要がある。
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朝5時を過ぎると、魚介のだしとしょうゆの豊かな香りがただよいはじめる。
JR京浜東北線と横浜線が発着する東神奈川駅。ホームにある立ち食いそば屋「日栄軒」には1日約500人の客が訪れる。
名物は、丼からはみ出す大きさの穴子天そば(600円)。毎日約50食注文されるという。
創業1918年。当初は駅付近で営業していたが、ホームに移ったという。
JR東日本によると、2000年代以降しか記録が残っておらず、ホームで営業を始めた正確な時期はわからない。
横浜駅からひと駅。ホームは2つで、ターミナル駅ではない。その場所で、駅の利用者らに長年愛されてきた。
相模原市中央区の会社員男性(28)は高校生時代に初めて訪れて以来の常連。いまでも駅で仕事があれば必ず訪れるという。
「つゆのちょうど良い濃さが好きです。最後まで飲めちゃう」と話し、この日は月見そばを注文した。
メニューにはうどんもあるが、店長の滝口知路さん(50)によると注文の8割はそばだという。
「ちょっとした乗り換え時間に利用するお客さんが多いからでは」と、早くゆで上がるそばが人気の理由を分析している。
「自慢は自家製のつゆ。取り寄せではなく、店舗で毎朝じっくり煮込んでいます」
昔の常連客が久しぶりに家族連れで来店することがある。そんな人たちの「まだあった」「昔よく来たんだよ」という言葉が好きで、つゆの味が変わらないよう心を配っている。
「駅にはいろんな楽しみ方がある。日栄軒も駅の楽しみのひとつになれたらうれしい」
日曜定休。営業時間は午前6時15分から午後10時10分まで(土曜・祝日は午後9時まで)。
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