第3回石川さゆりさんが語るあの名曲 「上野発の夜行列車」自ら乗ったが…
鉄橋を走るSLを眺めていた子ども時代
鉄道を好きになったきっかけは、蒸気機関車(SL)でした。
子どものころに住んでいた熊本で、白川という川の鉄橋を走っていたんです。ガタンガタンという音と汽笛が聞こえると、友だちと土手に登って機関車が通過するのを眺めていました。
人や荷物を運んだ機関車が駅に着いて「ふー、走ったぞ」と一息つくようにシューッと蒸気を吐くのが、なんだか人間のようで。お小遣いをためてカメラを買い、写真をたくさん撮っていました。
横浜市への引っ越しのため、熊本から家族で寝台特急「みずほ」に乗ったのが小学5年生のときでした。カンカンカンという踏切の音が遠ざかっていくのを聞いたとき、なぜだか「ああ、もう戻れないんだ。私はこれからどんなところへ行くのだろう」と、決意と不安が入り交じったような気持ちになったことをいまでも覚えています。
14日で開業150年を迎えた鉄道の魅力について、石川さゆりさんにたっぷり語ってもらいました。大ヒット作「津軽海峡・冬景色」の冒頭に出てくる上野発の夜行列車にも仕事でよく乗ったそうですが、そのときの様子も教えてもらいました。
中学生のころ、長野と山梨を結ぶ小海線でSLのラストランがあると聞いて、撮影に行こうとしたこともありました。同級生の男の子たちが泊まりがけで撮影に行くと聞いて、私も行きたかったのですが、母から「子どもだけで旅行なんてだめです」と止められてしまいました。
熊本駅で偶然の出会い、鉄路の思い出
あのラストランは見たかったなあ。でも最近、SL好きの私へのご褒美としか思えないような、素敵な偶然もあったんですよ。
今年の3月に熊本で50周年…
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