第4回してやられた高速鉄道「三国志」 吸い取られた技術、でも新幹線は

有料記事

編集委員・吉岡桂子
[PR]

 「お帰りください。あなた方に中国のパートナーはいません」

 ドイツ・シーメンスの担当者に対して、中国鉄道省の関係者の声が響いた。2004年7月、あるホテルの一室で在来線を高速化するための車両の入札があった。

 川崎重工業など日本連合が中国南車(現中国中車)系の四方機車車両(山東省青島市)、カナダのボンバルディアも南車系と、フランスのアルストムは中国北車(現中国中車)系の長春軌道客車(吉林省長春市)と組んで受注した。

 中国は技術移転を前提に、外資単独の入札を許さなかった。中国企業と組むことを命じた。

【連載】分かれた軌道 新幹線の日中半世紀

東京五輪にあわせて開業した新幹線。ひかりは日本の戦後復興の象徴でした。その超特急に憧れ、追いかけた中国を今、習近平政権のスローガンを冠する復興号が走ります。高速鉄道をめぐる日中の半世紀を8回の連載でたどります。

 シーメンスは相手を与えられ…

この記事は有料記事です。残り1364文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら