第12回狩猟でも日常生活でも相棒だった? 手厚く葬られていた縄文犬

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編集委員・宮代栄一

世界遺産 縄文遺跡をゆく⑫ 二ツ森貝塚

 青森県七戸町の二ツ森貝塚は「縄文犬」が出土したことで知られる遺跡である。縄文時代の犬の骨は日本各地の遺跡で見つかっているが、二ツ森のそれは幼犬で、ていねいに埋葬されていたらしい。

 遺跡までの最寄り駅は東北新幹線の七戸十和田駅で、そこから北東へ10キロほど。バスもあるが1日に数本のため、タクシーで行くことにした。

 七戸町は北海道などと並んで、競馬に出場する子馬などを育成する牧場があることで知られる。車はそんな牧場を見ながら走っていく。20分ほどすると、二ツ森貝塚が見えてきた。

 二ツ森貝塚は史跡指定面積11万平方メートル。総面積は47万平方メートルに及び、青森県の貝塚の中でも最大級の広さを誇る。

 遺跡の東に案内所が建てられており、見学者はそこの駐車場に車をとめて遺跡を見て回る。しかし、所々にモニュメントらしい器物が見えるほかは一面の草っぱらだ。

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 縄文犬の出土地を探して、園…

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この記事を書いた人
宮代栄一
編集委員|歴史・考古学担当
専門・関心分野
歴史、考古学、文化財

連載世界遺産 縄文遺跡をゆく(全16回)

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