アフリカ産コロナワクチン、受注ゼロで窮地 製造ライン稼働せず

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ヨハネスブルク=遠藤雄司
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 アフリカでの新型コロナウイルスワクチン製造が窮地に立たされている。南アフリカ新型コロナのワクチンを製造するアスペン社が、受注ゼロのまま製造ラインを他の薬の生産へと切り替える可能性がでてきた。アフリカ全体でワクチン接種を済ませた割合が人口の2割に届かない中、アフリカでの製造は、ワクチン供給をめぐる先進国との格差是正への大きな一歩と期待されていた。何が起きているのか。

 「ワクチン生産用に二つの製造ラインを確保してきたが、まったく稼働していない。このまま受注がなければ、6月末までにワクチンの製造ラインを麻酔薬に切り替える決断をしなければならない。アフリカが、重要なワクチンの生産能力を失うことになる」

 アスペン社グループで通商戦略を担当する役員スタブロス・ニコラウ氏は5月末、朝日新聞の取材にそう憤った。

 同社は2020年9月、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)社と受託契約を結び、J&J社の生産の一部を担ってきた。

 だが、今年3月にJ&J社と結んだ最終合意により、同社が持つ新型コロナワクチンの知的財産権の使用を許された。中身はJ&J社のワクチンと同じだが、「アスペノバックス」と名付けた上で26年末まで生産や販売ができるようになった。

 新型コロナワクチンの供給が…

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