医学部の「東大理Ⅲ化」はマイナスか 海外で「くじ引き」導入の理由
大学の医学部入試の難関化が進んでいる。医学部に特化した専門予備校も多いし、大学合格者ランキングでは医学部だけ別枠扱いも。コロナ禍で改めて注目を浴びた医者という職業。なぜ人気が集まるのか。「狭き門」になることのプラスとマイナスは。医療経済学を専門とする一橋大学准教授の高久玲音さんに聞いた。
たかく・れお 1984年生まれ。専門は医療経済学。医療経済研究機構主任研究員などを経て現職。
大学医学部の高偏差値化・難易度上昇については、弊害や問題点を指摘する声が多いですが、過去と比較してみれば、必ずしも悪い面ばかりというわけではありません。
私は2020年5月に、日本の医学部の高偏差値化と医師のキャリア形成の関係について論文を書き、英文学術誌に掲載されました。
河合塾が持つ1980年から2017年までの私立27医学部、国公立52医学部の偏差値データを提供してもらい、平均して推移を見ました。
全体で見ると、平均偏差値は58・3から66・3に上昇しました。現在65を超える国公立の場合は、80年代からすでに62、63程度と難易度が高かったのです。これに対し、特徴的だったのは私立大の高偏差値化です。80年代には55以下でしたが、90年以降急上昇し、現在は国公立とほぼ同じ65超えが定着しています。
なぜ医学部は難関化したのか。その背景には、私大医学部に広がった悪名高い「慣習」があったと高久さんは言います。続いて「理Ⅲ化」による影響を、社会が今後必要とする医療ニーズから考えます。
私立大学医学部が偏差値的に…
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