中国「ゼロコロナ」政策、なぜ苦境 習指導部の「堅持」、リスクにも
新型コロナウイルスの抑え込みを徹底して図る中国の「ゼロコロナ」政策が、感染力の強いオミクロン株の出現で苦境に陥っている。都市封鎖(ロックダウン)や厳しい行動制限が各地で続き、政策への不満は高まる。それでも、「体制の優位性」によってコロナを封じ込めてきたと主張する共産党指導部は、今秋の党大会を控えて政策を堅持する構えだ。
「この勝利によって、『ウイルスとの共存』『オミクロンには勝てない』といった誤った言論に力強く反撃した」。中国東北部・吉林省政府の幹部は14日、隔離施設などコントロール下にある場所以外からは感染者が出なくなったと発表した会見で、批判も目立つようになったゼロコロナ政策の成果を強調した。
3月に入り感染が拡大した中国で吉林省は特に感染者が多く、3月14日に確認された中国本土の市中感染者(5154人)のうち8割近くにのぼった。その後、省都・長春市のロックダウンや各地の厳しい行動制限を経て、4月15日には中国本土の市中感染者(2万4680人)の約3%となった。
だが、中国全体の感染者は3月より大きく増えている。この日、全体の約95%を占めたのが上海市の市中感染者だ。3月28日に始まったロックダウンはいまも広い範囲で続き、3月からの累計の市中感染者数は32万人を超えた。市政府は多数の仮設病院を整備したが、雨漏りでベッドが水浸しになる様子を映した動画が拡散するなど、場所によっては劣悪な環境に批判が出ている。
西安で再び
4月に入り、15日までに累…
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