当たるも八卦…35歳男性は中吉 1300年前の木簡、指定文化財に

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清水謙司

 約30年前、奈良県橿原市の藤原京跡で珍しい遺物が見つかった。「当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦」の言葉で知られる占いの結果が記された木簡。日本初の本格的な都とされる藤原京(694~710年)の先進性を示すもので、新たな市指定文化財になった。

 指定されたのは「八卦占い木簡」と呼ばれる飛鳥時代の木簡だ。1993年、市教委が特別史跡・本薬師寺跡から南西約350メートルの地点(同市城殿町)を発掘調査して見つけた。長さ20・5センチ、幅3・2センチ、厚さ0・3センチの短冊形だ。

 表面は35歳男性の運勢を告げていて、「甚吉」という字が書かれている。甚だ吉と読むことができ、中吉にあたるという。忌むべき方位なども確認できるという。

 裏面には「宮仕良日」「木」「開」などの文字がみられる。当時の役人の出勤日についての占い結果を伝える内容で、慶雲2(705)年の3月11日という年月を導き出せるという。

 705年は文武天皇の時代に…

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