第1回部屋に響いた爆撃音、駅上空には戦闘機 キエフの日常が奪われるまで

有料記事キエフよ 日常はどう奪われたか

ウクライナ西部リビウ=喜田尚
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 低い音の空襲警報が街に響いて間もなく、駅の上空を戦闘機が通過した。轟音(ごうおん)が響き、列車待ちの乗客らが空を見上げると、雲の糸を引きながら西の方角から東へ。みなの視線がその行く先を追う。

 やがてプラットホームの屋根の陰に隠れ、姿が見えなくなった。上空で急旋回し、方向を変えたのか。

 「ウクライナの戦闘機か」

 肩が触れあう混雑の中で誰かが誰にともなくたずねる。

 「まさかロシア機じゃないだろう」

 もう1人が不安そうに答えた。だれも確信が持てないのだ。そのあと、声は続かなかった。

退避指示、しかし日を追うごとに難しくなる脱出

 ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まって3日目の2月26日午前11時半、記者は空爆と散発的な銃撃戦が続く首都キエフの鉄道駅にいた。

 キエフは人口約300万人の…

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