グッチが復帰、日本から初参戦も 香取慎吾が注目するミラノ・コレ

ファッション

聞き手 編集委員・後藤洋平
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 ミラノ・ファッションウィーク(MFW)の2022年秋冬コレクションが23日、本格的に開幕する。MFWストリーミングパートナーの朝日新聞は、全ブランドの発表を特設サイト(https://www.asahi.com/special/fashion/mfw2022aw/)で同時配信する。朝日新聞とMFWのナビゲーターを務める香取慎吾さんが電話インタビューに応じ、注目のブランドやファッションへの思いを語った。

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一番の注目はグッチ

 今回、ミラノで一番注目しているのはグッチのショーです。2015年にアレッサンドロ・ミケーレがデザイナーに就任して以降、イメージが一新されました。小さな動物の刺繡(ししゅう)を胸元にちょこっと入れるとか、「大人でも遊び心を持っていいんだよ」というような服づくりを感じるんですよね。

 他のブランドのデザイナーが外部から招かれるケースが多いなか、彼は内部昇格でクリエーションのトップに立ったという経歴も興味深いです。才能のある人を探すのが難しい世界で、「すぐ近くにいたのか!」という驚きがありました。

 僕は昔からファッションが大好きでしたが、ミケーレのグッチを知り、2019年にはミラノでショーを拝見して本人とも会って、そこから他のブランドも含めてラグジュアリーファッションに関する知識が広がりました。

 グッチは過去2年間、ファッションウィークのスケジュールに合わせず独自のタイミングで新作を発表してきたけれど、今回は久々のMFW参加になります。なぜ復帰したのかという理由も気になります。昨年11月に米ロサンゼルスで開かれた、ブランド創立100周年を記念した大規模なショーが非常に豪華だったので、本拠地のミラノでどんなショーをするのか、すごくわくわくします。

YOONとバーバルのアンブッシュも

 ミラノ初参加となる、日本を拠点にするアンブッシュのショーも楽しみにしています。デザイナーのYOON(ユン)さんはディオールのアクセサリーも手がけていて、僕は気に入って使っていますし、YOONさんとブランドを立ち上げた夫のバーバルさん(「m-flo」のメンバー)とは音楽の仕事でご一緒したこともあります。そんな2人のアンブッシュが、そうそうたるブランドと同じ舞台で新作を発表するなんて、なんだかうれしいですよね。

 もう一つ気になるのは、ボッテガ・ヴェネタです。3年前に就任した前デザイナーのダニエル・リーの服は、他にはない色づかいと、大人の余裕を感じさせるゆとりのあるサイズ感で大好きだったので、退任には驚きました。今回は新デザイナー、マチュー・ブレイジーのデビューコレクション。どんな新しい風を吹かせるのか、期待しています。

 プラダやジョルジオ・アルマーニ、ジル・サンダーやマルニなど、MFWはイタリアの質の高い生産背景を持つブランドが多いですよね。日本にも素敵な職人さんや工場があるので、僕も自分で手がけるブランド、ヤンチェ・オンテンバールの服づくりで刺激になることが多いです。

ファッションショーが着想源

 ファッションショーの動画をチェックしながら、ものすごく影響を受けることが多いんです。服のことだけではなくて、音楽を作ること、絵を描くことなどクリエーションの全ての面で。

 良い面での影響はもちろん、「洋服やビジュアルは素晴らしいのに、この音楽ってどうなんだろう」とか、「音楽が良すぎて、服の印象よりもそっちが勝ってしまっているんじゃない?」なんて思うこともあります。ファッションショーやファッションの新作動画って、あらゆる要素が詰まっている。そういう前提で見るのも、とっても楽しいと思います。(聞き手 編集委員・後藤洋平

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