郵便局長110人に「注意」処分、顧客データ流用で日本郵便
郵便局長らが1300人超の顧客情報を政治流用していた問題で、日本郵便は1日、局長計110人を注意処分にしたと発表した。「調査が不十分」との批判が専門家から続出しているが、同社は調査を打ち切る方針を変えていない。
注意処分としたのは、個人情報の流用や流出を認めた局長104人と、「指導が不十分だった」と認めたという地区統括局長6人。常務執行役員2人も監督責任を問われ、月額報酬の10%分を1カ月間減額するという。
1月21日公表の調査結果では、局長104人が1318人分の顧客情報を全国郵便局長会の政治活動のために使ったとした。だが、不正と認定したのは局長の自己申告分だけで、不正が横行した原因や背景は示していない。
また、顧客を狙った政治活動の指示が複数の地方郵便局長会で出ていたと確認したのに、指示したとみられる局長会役員らへの調査は不要だとして拒否している。このため、25日の総務省の有識者会議では「調査終了は論外」「原因にメスが入らないとまた起きる」などの批判が相次いだ。
しかし、日本郵便の広報担当者は1日、「調査を終える考えは変わらない」と朝日新聞の取材に回答した。同社は1月21日の調査結果公表後、記者会見を一度も開いていない。
一方、総務省は2月1日、「郵政行政モニタリング会合」を設置すると発表した。弁護士や公認会計士ら4人の助言を受け、日本郵政グループへの監督体制の強化にいかす。事業情報を扱うため会合は非公開だが、議事要旨を公開し、夏ごろに報告書をまとめる。
「不祥事の発生」を受けた対応だというが、局長会の問題も扱うかを記者会見で問われた金子恭之総務相は「個別事案を対象に具体的な検討を行うことは想定していない」と答え、消極的な考えを示した。
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