スキマ10分の奪い合い 「要約コンテンツ」は正攻法で生き残れるか

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赤田康和

メディア空間考 赤田康和

 2時間近くに及ぶ映画本編を10分程度に圧縮した違法動画「ファスト映画」の摘発が話題になったが、書籍の世界でも「要約コンテンツ」が人気だと聞いて、現場を訪ねた。

 東京都千代田区のパレスサイドビル。8階のオフィスにある会議室はガラス張りで、皇居の木々の緑が目にまぶしい。

 白いポケットチーフをさした端正なスーツに身を包む大賀康史さん(42)が会議室に現れた。ビジネス書や人文書などを約10分で読めるよう約4千字に要約して配信する会社フライヤー(東京都千代田区)の創業者で最高経営責任者だ。

 フライヤーの場合、要約の作成・配信に際して、元の作品を生んだ出版社側に許可を取っている。映画会社に許可を取っていなかった「ファスト映画」とはこの点が異なる。

 ただ、許可を取る際に、出版社にお金は払っていないという。なぜ、許可を取れるのだろう。

■自身の「本への愛」がきっか…

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この記事を書いた人
赤田康和
大阪社会部|災害担当
専門・関心分野
著作権法などの表現規制法制とコンテンツ流通、表現の自由