本能の神秘、人工飼育ライチョウが子育て 大町の博物館で23年ぶり
近藤幸夫
約60年前にライチョウの飼育を始めた大町山岳博物館(長野県大町市)が、23年ぶりに母鳥による子育てに取り組んでいる。母鳥とほぼ同じ大きさになったヒナ1羽は健康状態が良好という。
7月15日、母鳥が自分で抱卵して1羽のヒナが誕生した。同館にとって1998年以来の朗報だった。孵化(ふか)後、母鳥による子育てがスタート。体温調節のためおなかの下にヒナを入れて温めたり、夕方にはねぐらに戻らないヒナを呼びに行ったりして世話を続けた。
この母鳥は人の手で育てられた個体だが、ライチョウ担当の栗林勇太学芸員は「母鳥は誰からも教わっていないが、本能的な行動で子育てをしている」と言う。
同館は1963年から2004年まで、全国に先駆けてライチョウを飼育していた。16年から環境省の保護増殖事業の一環として再開。生息地の北アルプス・乗鞍岳から採取した卵を孵化させ、人の手で育てる人工飼育を続けてきた。
現在、県内では長野市の茶臼山動物園が中央アルプスから1家族4羽(母鳥1羽、ヒナ3羽)を移送して飼育し、来年以降に野生復帰させる試みに挑んでいる。ライチョウの保護増殖事業では、動物園などの施設による生息域外保全も重要になってきている。
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