中国、台湾TPP加盟に「断固反対」 対立激化で手続き遅れる可能性

北京=高田正幸
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 中国外務省の趙立堅副報道局長は23日、台湾が環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を正式に申請したことについて定例会見で問われ、「公的な性格を持ついかなる協定や組織にも、台湾が加わることは断固として反対する」と表明した。

 中国政府は16日、TPPへの加盟を正式申請したばかりだが、台湾が中国の一部だとする「一つの中国」原則に基づき、台湾のTPP加盟を認めない姿勢を明確にした。加盟には全加盟国の同意が必要で、加盟に向けた支持の獲得をめぐり、中台双方の競争が激しくなる可能性がある。

 中国で中台関係を研究する大学研究者は台湾の加盟申請について「中国のTPP加盟が実現すれば、アジア太平洋の自由貿易圏でさらに孤立する可能性があると考えたのだろう」と指摘。「台湾当局の申請によって外交的な面倒が起こり、中国政府の加盟手続きに遅れが出る可能性がある」と警戒する。

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この記事を書いた人
高田正幸
台北支局長兼香港支局長
専門・関心分野
台湾、香港、中国、反社会的勢力
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    遠藤乾
    (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
    2021年9月24日0時2分 投稿
    【解説】

     中国が台湾の加盟に反対というのは予想されたことだが、台湾の加盟は非加盟国の中国が決めることではない。  そもそも、英国に引き続き、二つの(対立する)経済体が、CPTPPに入りたいと明らかにした(要望者になった)段階で、外交的にはサインと

    …続きを読む