タリバン、世界は認める? そもそも政府の「承認」とは
アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが権力を掌握し、新政権を樹立する方針を示しました。この動きに対して、「タリバンをアフガン政府と承認する予定はない」(カナダ)、「早急な承認は間違い」(英国)などと、新政権を「承認」するかどうかをめぐって各国から厳しい反応が出ています。そもそも国家や政府を「承認する」とはどういうことなのでしょうか。旧ソ連地域の研究が専門で、「未承認国家と覇権なき世界」などの著書がある慶応大総合政策学部の広瀬陽子教授(国際政治)に聞きました。
――国家が成立するための要件は何でしょうか?
国際法における国家の要件は、①国民、②明確な領土、③統治能力をもった政府、④他国と関係を取り結ぶ能力、と定義されています。この要件が明記されたのが、1933年に米国・中南米諸国の間で結ばれた「モンテビデオ条約」で、現在でもよく引用されています。
この4要件のうち四つ目の「他国と関係を取り結ぶ能力」については、外交関係を持ちたい相手側がその国を認めてくれなければ成り立ちません。これが「承認」です。
承認はさらに、「国家承認」と「政府承認」に分けられます。国家承認は、無政府状態だった地域で国家樹立を主張したり、ある国の一部の地域が分離独立を宣言したりした場合に、それを国家として承認するかという問題です。一方、政府承認は内戦やクーデターなどで政権交代が起きた場合に、その政府を承認するかということです。今回のアフガニスタンは、この「政府承認」の問題にあたります。
――どれだけの国から承認される必要があるのですか?
何カ国以上から承認を得たら…
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