トランプ氏の考え「米側の誰も把握してない」頭抱える日本の関税交渉

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多鹿ちなみ 小手川太朗 里見稔
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 世界を相手にしたトランプ米大統領の「関税攻撃」から、日本も逃れることはできなかった。3日には自動車関税が発動され、トランプ氏が導入を予告していた「相互関税」に至っては、想定よりも高い税率をかけられることになった。日本側は粘り強く協議を重ねる考えだが、深刻なのは、米側の交渉相手といくら話しても、トランプ氏の考えがつかめないことだ。

 日本政府は「トランプ関税」の適用を除外してもらうため、直前まで米国側と交渉を重ねた。武藤容治経済産業相は3日未明にもラトニック米商務長官とオンラインで会談したが、聞き入れてもらえなかった。交渉の糸口すらみえない状況に、交渉にあたる経産省の幹部は「独裁政権のようだ」と皮肉まじりに話す。

 関係者によると、訪米した武藤氏が3月10日にラトニック氏らに直談判した際、「大きな話をもってこい」と言われたという。だが、それが何を意味するのかは読み取れなかった。その後の事務レベルの協議でもトランプ氏の意向を探ろうとしたが、不発に終わった。

 ある幹部は「米政権の誰と話しても、トランプ氏の考えを把握していない。何を交渉したいのかもわからない」と打ち明ける。別の経産官僚も「あえて交渉環境を整えないという、米側の戦略では」とみるほどだ。

「こちらからカード切っても」

 トランプ氏の「攻略策」を見…

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この記事を書いた人
多鹿ちなみ
経済部
専門・関心分野
エネルギー政策、人権、司法