ワクチン打っても感染リスク 注意すべき三つのポイント

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編集委員・田村建二
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 新型コロナウイルスのワクチンを職場などで接種する「職域接種」が21日、本格的に始まった。だが、ワクチンを接種しても、ただちに新型コロナにかからなくなるわけではない。ワクチンの効果を考えるうえで、注意すべきポイントが現時点で少なくとも三つある。マスクをし、人との距離を保つといった一般的な予防策は、当面はこれまで通りに続ける必要がある。

 一つ目は、打ってから感染を防ぐ力が生じるまでの時間差だ。国立感染症研究所は5月、ファイザー製のワクチンを打った医療従事者の経過を追った結果、「新たな感染の報告率は、1回目の接種から12日前後を境に下がる傾向がみられた」と発表した。海外の複数の研究でも、ワクチンの効果が表れるのは1回目接種から12日目以降だとされている。

 ワクチンを打つと、本物のウイルスがきたときに細胞に感染しないようにする「抗体」などができる。それまでには一定の時間がかかる。厚生労働省は「1回目の接種から2週間程度は、接種していない人と同じくらいの頻度で発症してしまうことが報告されている」と注意を促す。

 二つ目は、打つ回数だ。モデ…

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この記事を書いた人
田村建二
科学みらい部
専門・関心分野
医療、生命科学
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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2021年6月22日10時13分 投稿
    【視点】

    疫学は確率の世界。2回接種が必要なワクチンはきちんと「2度打つ」ことが肝であることが、よくわかります。一方で、接種は努力義務で、強制ではありません。改正予防接種法の付帯決議では「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであること」

    …続きを読む