町に響く蒸気機関車の汽笛 吉松駅でボランティア鳴らす

伊佐通信員・周防原孝司

 JR吉松駅(鹿児島県湧水町川西)前に保存・展示されているC55形蒸気機関車の52号機が時折、哀愁を帯びた野太い汽笛を響かせている。地元のボランティアガイドが観光スポットなどを案内する際に鳴らしている。

 吉松駅は1903年に開業した。C55形蒸気機関車は北海道から九州まで幅広く配置され、52号機は1972年3月に旧国鉄吉松機関区に配属された。主に吉松~西鹿児島(現鹿児島中央)、吉松~都城(宮崎県)を約3年間、運行したという。

 汽笛は、2011年発足の湧水町観光ボランティア「湧水汽車会(わくわくぽっぽかい)」(大重忠文会長)が、ガイドを行う際などに鳴らす。以前は月に2、3回あったが、コロナ禍で今は月に1回程度に減っている。

 鹿児島中央~都城往復のツアーが3月30日に特急「はやとの風」を使って行われた。この日は兵庫県や宮崎県などから大勢の鉄道ファンが52号機の見物に来ていた。吉松駅に列車が到着した時と、鹿児島中央駅に向けて発車する時に汽笛を鳴らした。大重会長は「鳴らす時は駅周辺の住民にも配慮し、事前に連絡している」と言う。

 宮崎市から祖母と来ていた明石淳平ちゃん(5)は「初めて汽笛を鳴らし、楽しかった」と喜んでいた。

 吉松駅など町内の観光スポットのガイドを利用する際はガイド料が必要になる。問い合わせは霧島山麓(さんろく)湧水町観光協会(0995・74・5690)へ。(伊佐通信員・周防原孝司)…

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