米の対中戦略、力よりルール「模範示す力で世界リード」
ワシントン=青山直篤 大島隆 北京=冨名腰隆 西山明宏
米国の政権交代に伴い注目を集めるのが、「新冷戦」とも言われるまでに対立を極めた米中関係の行方だ。バイデン次期大統領は中国の台頭に警戒しつつ、トランプ政権とは異なる対中戦略を描く。新政権への期待と不安が入り交じる中国は、権力の移行期も巧みに利用して外交の環境整備を急いでいる。
「米国は力を見せつけるだけでなく、模範を示す力(the power of our example)で世界をリードする」。バイデン氏は7日の勝利演説で、そう強調した。
目線の先にあるのは中国だ。トランプ政権は制裁関税という「力」を使い、単独主義で中国と対峙(たいじ)した。一方で、バイデン氏は同盟国と連携しながら、模範となるルールに中国を従わせることを狙う。
軍事力と密接に関わる先端技術やデータを使い、非民主主義的に台頭する中国にどう対抗するか。米国のこの課題は変わらない。バイデン氏が異なるのはその手法だ。
単独主義を転換
バイデン陣営に助言してきた…
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