「独善的手法」あだに 混乱と禍根残した尹前大統領の「4大改革」

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太田成美
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 大統領を4日に罷免(ひめん)された韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)氏は3年足らずの在任中、医療、年金、労働、教育の「4大改革」の推進などを掲げてきた。だが、常に少数与党だったことや、「独善的」と批判される強引な手法があだとなり、ほとんど成果を上げられなかった。混乱や禍根を残したまま、課題は大統領選を経て誕生する次期政権に引き継がれる。

 尹政権は昨年2月、医師不足を解消するとして突然、大学医学部の定員を大幅に増やす方針を発表した。段階的にではなく一気に約6割も増やす強引な政策に、医療界は「急激な増員は医療の質の低下を招く」などと激しく反発した。

 研修医らが一斉に職場を離れ、医療の空白が生まれたことで、患者が必要な治療を受けられないなどの影響が出た。医学部生らも集団休学で抗議したが、政権は増員数をやや減らしながらも今年の定員増を強行した。

医療改革は振り出しに

 政権と医療界の対立が収まら…

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この記事を書いた人
太田成美
政治部|外務省担当
専門・関心分野
朝鮮半島情勢、日韓関係、ジェンダー
韓国大統領選挙

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