第10回愛想尽かす若者、評価高める労働者…トランプ票の行方は
連載「トランプ王国 あれから4年」
前回のアメリカ大統領選ではトランプを熱心に支持した人もいれば、迷った末に投票した人もいた。あれから4年。かつてトランプに1票を投じた人に聞いてみた。今年も彼を支持するのですか? トランプ支持者の声から現代アメリカの姿に迫る連載の最終回です。
「トランプはオバマと正反対で下品だ。でもね、この地域のためにできることなんて、誰が大統領になってもほとんどない。だったらトランプみたいな男にやらせてみてもいいんじゃないか」
2016年のアメリカ大統領選の際、トランプを支持する理由をそんな言葉で話してくれた人がいる。選挙の激戦州であるオハイオ州のロニー・リッカドナ(42)だ。4年前に飲み屋で取材した際、雇用の場が細る地元経済へのいらだちを語った。大学に2度通ったが、地元では学位を生かした仕事が見つけられず、フェンス工場で働いていた。
かつてはオバマ前大統領の熱心な支持者だったといい、最初はトランプの人種差別的な言動に抵抗があると話していた。だが、終盤になってこう口にした。「トランプは権威ある相手にもひるまず、やり返すカウボーイだ。本音むき出し。エリート支配のワシントンを壊すには、そのぐらいの大バカ野郎が必要だ」
今年10月、4年ぶりに電話を入れると、そんな見方は大きく変わっていた。大きなため息に続き、最初に語った言葉は「分断、無秩序、大混乱」だった。
「大統領の言動が報じられる…
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