改良型リニア、騒音低くゆったりと 時速500キロ体験

一條優太
【動画】リニア中央新幹線の新型車両が報道陣に公開された=関田航撮影
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 リニア中央新幹線の改良型試験車の走行試験が19日、山梨県の山梨リニア実験線(42・8キロ)で報道関係者向けに公開された。車内が初めて披露され、記者の試乗もあった。

 JR東海は8月から、山梨リニア実験線で従来のL0系を改良した試験車の走行試験を開始。走行試験を行っているのは7両編成だが、2両に改良型の車両を導入した。営業運転の開始に向け、データを収集している。

 改良型は、先頭車の前部に凹凸を付けるなどして空気抵抗を従来より13%減らし、消費電力や騒音を低減。照明や空調に使う電力は従来、ガスタービン発電装置からまかなっていたが、地上から「非接触」で集電する仕組みに切り替えた。進行方向を映すカメラと前照灯の位置は、先頭車の先端から約13メートル後方に変更した。

 内装は白を基調としたデザイン。座席は背もたれを倒すと同時に座面が沈み込む仕組みを新たに採用し、従来より座席の幅も広げた。スマートフォンの利用などを見据え、全席にUSBのコンセントを配備した。天井に車内の騒音を低く抑えるための素材を使い、荷棚とテーブルは小型化した。

 報道関係者は、従来型と改良型の2種類の座席で営業運転の最高時速500キロ走行を体験した。改良型は、従来型よりゆったりとした座り心地だった。加速と減速時の揺れや騒音も低く感じ、車内も明るくなった印象があった。それでも東海道新幹線と比べれば、揺れはやや大きく感じた。

 JR東海によると、一般の試乗会の開催時期は未定だという。

 リニア中央新幹線は品川―新大阪間を67分で結ぶ計画。建設工事が各地で進んでいるが、最難関区間の一つとされる南アルプストンネルを含む静岡工区が、静岡県などの反対で着工できていない。2027年をめざしていた品川―名古屋間の開業は遅れる見通し。(一條優太)

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