第4回コロナで差別、75年前と同じ 被爆者に焼き付いた記憶
テレビをつければ、目に入るのは「新型コロナ」の5文字。人々の暮らしに影響を与えるウイルスをめぐり、様々なニュースが伝えられる。その中で、心をざわつかせるものがある。東京都葛飾区で暮らす富田芳子さん(81)は、あのときの出来事を思い出さずにはいられない。
「あっちいけ」
うだるような暑さの中、両手に荷物を抱えて歩き続けた。水筒の水は尽きたのに、汗は止まらない。
1945年の夏、6歳だった富田さんは母や妹、弟と長崎市郊外に向かっていた。8月9日、自宅から1・8キロで原爆が炸裂(さくれつ)。家族に大きなけがはなかったが、家は傾き、周囲の環境も不衛生になったため避難しようとした。
井戸のある民家にさしかかった時だ。富田さんらを見た女性がつるべを回収し、家に入っていった。「水をいただきたいんですが」。閉ざされた玄関の前で、母が声をかけると、中から女性の怒鳴り声が聞こえた。
75年前の戦争と、現代の新型コロナウイルス。全く異なる出来事ですが、富田さんは「まだ同じことが繰り返されている」と感じています。どういう意味なのでしょうか。記事の後半では、幼いころに脳裏に焼き付いた「差別の記憶」をたどり、コロナ禍との共通点を考えます。
「街から来た人はどんなバイ…
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