検察庁法改正「時間たてば…」 首相、安保法を例に見解
検察幹部を退く年齢に達しても政府の判断でポストにとどまれる特例を新設する検察庁法改正案をめぐり、与党がめざした15日の衆院内閣委員会での採決はできなかった。採決提案に対し、野党が武田良太・国家公務員制度担当相の不信任決議案提出という対抗手段を取ったためだ。抗議の高まりを受けた攻勢に、与党の描く日程は狂っている。
同委の審議には武田氏とともに、森雅子法相も出席。予定された質疑を終えた後、同委理事会で採決日程が提案されたのに合わせ、立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党が不信任案を衆院に提出した。閣僚の不信任案は優先的に審議することが慣例となっており、同委の今後の日程もいったん白紙になった。
自民党の森山裕国会対策委員長は「週内の衆院通過」を掲げていたが、本会議どころか、委員会での採決もできなかった。この日、記者団に「この法案の委員会可決を急ぎたい」と語り、早期成立をめざす考えは変わらないことを強調した。与党は19日の本会議で不信任案を否決し、早ければ20日の同委で採決に持ち込みたい考え。
一方、野党はツイッター上の抗議などを受け、世論の支持は得られると判断し、抵抗を強める。同委の松本文明委員長(自民)の解任決議案も検討しており、来週の審議日程も不透明な状況だ。
15日の同委では、幹部の定年延長をめぐる「検察人事への政治介入」の懸念が引き続き焦点となった。
政府が検察幹部の定年を延長する際の判断基準をめぐり、武田氏が「新たに人事院に規則を出して頂く。現時点で内容を具体的に示すことは困難」と説明。野党の要求を受けて出席した森法相は「検察官の独立性は害しないし、三権分立にも反しない」と語った。野党側は納得せず、徹底審議を求めた。
安倍晋三首相は同日の参院本会議で、「内閣の恣意(しい)的な人事が行われることはない。自らの疑惑追及を逃れることが改正の動機といった指摘は全く当たらない」と述べ、野党が訴える修正には応じない考えを示した。
また、首相は同日夜のインターネット番組で特定秘密保護法や安全保障法制などを例に挙げ、「政策の中身、ファクトではなく一時的にイメージが広がるが、時間がたてば『事実と違ったな』とご理解頂ける」と述べ、検察庁法改正案の批判は収まるとの見方を示した。
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