コロナで減便「選択肢としては」 走り続ける鉄道のなぜ

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高橋尚之 贄川俊 一條優太
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 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で、平日でも利用者が減る公共交通機関。その中で、鉄道は今も定期ダイヤを維持している。減便が増える航空会社とは対照的だ。なぜ鉄道は走り続けているのか。理由を探った。

 宣言から1週間たった14日の午前8時前。JR新宿駅山手線内回りホームでは、到着した列車のドア前に2、3人ごとにいくつか列を作って並んでいた。ドアからは十数人が降り、乗り込んだ数人は空いていた席に座った。エスカレーター付近には降りた客でわずかに人混みができたが、すぐに解消した。

 足の踏み場もないような普段の平日朝の通勤時間帯の光景と比べると、明らかに人は少ない。混雑路線として知られる中央線埼京線のホームでも似たような状況だった。

 JR東日本によると、7日に宣言が出て以降の利用者は、平日朝の通勤時間帯の山手線で宣言前に比べて35%、2月初めに比べて60%減った。新幹線や特急も宣言前より約45%、昨年の同時期に比べて8~9割減っている。ゴールデンウィーク(GW)期間の特急や新幹線の予約も、記録のある1997年以降で過去最低の約1割にとどまる。

 同社では5月の特急や新幹線の臨時便を運休する一方、在来線も含め定期ダイヤを保っている。一部の定期ダイヤで減便を始めたJR北海道や九州、大阪メトロ西日本鉄道を除いて各社ほぼ同じ状況だ。

 路線バスも同様の状況で、日本バス協会によると、高速バスで減便が進んでいるが、近距離バスでは東京で一部が平日ダイヤを休日ダイヤに変更している以外は、大きな減便の動きは把握していないという。

 対照的なのは航空会社だ。全日空日本航空はすでに約9割減らしていた国際線に加え、宣言を受けて国内線の減便を全体の2~3割から約5割まで増やした。4月の国内線の予約は前年から8~9割減っているという。

 航空会社と違い、なぜ鉄道会…

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