ここが娘の遺骨が見つかった場所 福島・大熊町の現在を伝える父親

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関田航
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 東日本大震災福島第一原子力発電所事故で大きな被害を受け、震災から13年がたった今も多くの町民が帰還できていない福島県大熊町。震災で家族を失った木村紀夫さん(58)が10日、米コロンビア公共政策大学院で行政政策などを学ぶ学生ら10人を案内し、大熊町の現状を説明した。

 木村さんは震災で次女の汐凪(ゆうな)さん(当時7)、妻の深雪(みゆき)さん(同37)、父の王太朗(わたろう)さん(同77)を亡くした。教訓を未来に生かそうと、2020年に一般社団法人「大熊未来塾」を設立し、自身の経験から、災害対策の重要性や原発のない社会のあり方などについて語り継いでいる。

 この日は午前8時半ごろ、隣町の富岡町の商業施設で集合し、立ち入りが制限されている帰還困難区域に入った。いずれも中間貯蔵施設の敷地内にある、汐凪さんが通っていた熊町小や、津波で全壊した木村さんの自宅跡地、汐凪さんの遺骨が発見された場所などを巡った。

 冒頭、木村さんから、数時間の立ち入りで健康に影響はないものの、他の場所よりも放射線量が高いという説明がされた。多くの学生は防護服を着用することを選び、はじめのうちは珍しがって写真を撮りあったりしていたが、木村さんの説明が進むにつれ、真剣な表情で聴き入った。

 震災の発生直後、避難の行き…

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