小型ロケット「カイロス」打ち上げ延期 民間初の衛星軌道投入を予定

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石倉徹也
【LIVE】カイロス初号機打ち上げ延期、記者会見
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 キヤノン電子などが出資する宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京)は9日、小型ロケット「カイロス」初号機を同日午前に和歌山県串本町から打ち上げる予定だったが、延期すると発表した。

 計画によると、機体はエンジンを燃焼させて高度約500キロへ上昇し、打ち上げの約51分後、内閣官房の人工衛星1機を軌道に投入する予定。

 衛星の軌道投入は、国内の民間ロケットとして初挑戦。自前のロケットと発射場による「宇宙宅配便」を掲げる同社にとって、宇宙ビジネスに参入するための試金石となるか注目されている。

 荷物を運ぶ日本のロケットは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を主導した「H2A」「H3」、小型の「イプシロン」に限られている。民間では2019年5月に、実業家の堀江貴文さんが創業した「インターステラテクノロジズ」(北海道大樹(たいき)町)の小型ロケットが高度100キロ超の宇宙に初めて到達したが、衛星は載せていなかった。

 人工衛星やロケットなど、かつて国が主導した宇宙開発の主役は今、官から民へと様変わりし、宇宙ビジネスが勃興。近年、通信や観測に使う衛星の打ち上げ需要が急拡大しているが、運ぶためのロケットが足りていない。

 先日打ち上げに成功したH3…

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